たったひとつの愛を君に



蜂は何をするでもなく、でも私が落ち着くまで傍に居てくれた。

数10分も経つと少し痛みが引いてきた。

完全には痛みはなくならないけれど、動ける程度にはなった。

「ごめんね、もう大丈夫。ありがとう。」

蜂に告げると、

「いいや。俺何も出来なかったし。それにそんなに酷いとは思ってなかった。」

少し気落ちした様子で話す蜂。

「こんな酷いの初めてだったの。1人だときっと怖くてどうしようもなかった。傍に居てくれただけで充分だよ。」


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