たったひとつの愛を君に



少しずつではあるが、確実に病魔は私の身体を蝕んでいっていた。

その日は学校を休み、次の日早々に病院へ向かった。

足の痛みは軽くで済んでいたが、力が上手く入らず

病院では車椅子に乗らせてもらった。

若い私が車椅子で移動する姿は珍しく

他の患者さんに何度も見られた。

それでも歩けないのだから仕方がない。

私は診察までの間ずっと下を向いていた。


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