たったひとつの愛を君に



名前を呼ばれ、母に連れられ診察室へと入る。

車椅子の私を見ても先生は特に驚いた様子もなかった。

私が昨日の激痛のことと力が入らないことを話すと、

「そうですか。時期的なものもありますが、悪化してきていますね。薬の量と回数を増やしましょう。」

そう言われた。

この病気は急激な温度変化に弱く、

夏場や冬場は特に酷くなるそうだ。

しかし治療法は見つかっていないため、

薬の対処療法しかない。

それも気休め程度にしかならない。


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