たったひとつの愛を君に



私は蜂が私を抱く理由は

私が初めてのあの日、愛を感じたいと言ったからだと思っている。

傷付けた分、愛を与えようとしてくれている

所謂罪滅ぼしなのだろうと。

きっと、私がもういいよって一言言えば

蜂は解放されるのだろう。

そうしてあげるべきだということは分かっていた。

でもまだそれが出来ずに居た。

私は弱虫だ。強くならなきゃ。

いつもそんなことばかり思っていた。


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