たったひとつの愛を君に



「あのね、確かにあの時のことは忘れられないし思い出すこともよくあるよ。でも、蜂くんには触れてほしいって思うんだ。まるで浄化されていくみたいな気がするの。だから、嫌じゃないなら触って?」

こんなこと言うのは、恥ずかしくてどうにかなりそうだった。

でも、伝えたいと思った。

すると蜂は、目をまん丸くさせたと思うと

次はにっこり笑ってこう言った。

「ありがとう。それなら遠慮なく。」

そして蜂は私を抱いた。


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