たったひとつの愛を君に



体勢を変えたところで痛みが治まる訳では無い。

分かってはいた。

薬も気休め程度にしかならない。

それでもないよりはマシだ。

しばらくすると薬と水を持った蜂が戻ってきた。

「はいこれ!あってた?!」

焦りながら駆け寄ってくる蜂。

「うん、あり、がとう。」

そうとだけ言うとすぐさま薬を飲んだ。

すぐ効く訳ではないからしばらくは痛みは引かないだろう。

治まるまでここに居るしかない。


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