星空を見上げて

・・・・・

夕食は圭介さんからの連絡待ちになっていた
遅くなるかもしれないと言われていたので
ウインドーショッピングしながら連絡がくるのを待った

19時を少しまわったところでスマホが着信を告げる
画面を見ると彼だった

「もしもし」

「遅くなってすまない、今終わった どこにいる?」

「えっと○×というお店の前にいます」

「そこなら近いな、15分くらいで着くからそこを動くなよ」

「分りました」

スマホをカバンにしまい彼を待っていると
「カノジョー1人?」と声をかけられた
目の前にはいかにもチャラそうな男が立っている

「いえ彼と待ち合わせしているんです」

「でもさっきから見てるけどカレシ来ないじゃん
そんなヤツほっといてオレとメシ食いに行こうよ」

「いえ結構です」

「そう言わずにさーオイシイとこ知ってるから」

と、男の手がこっちに伸びてきたのであとずさりしようとしたら
ぐいっと後ろに腕を引っ張られた

見上げると圭介さんだった
圭介さんは私を背中に隠し目の前の男を睨みつけた

「俺の女に何の用だ?」

彼は恐ろしく冷たい目で見ている
その目はいつもの優しい彼ではなくて少し怖かった

圭介さんの迫力に男は何も言わず走り去っていった
ほっとため息をつくと彼が私の方を向き

「何もされてないか?」

「大丈夫です、すぐ圭介さんが来てくれたから」

「遅くなってすまなかった」

「謝らないでください、何もなかったんですから
それよりお腹空きました、ご飯食べに行きましょ」

「そうだな」

そう言うと私たちはその場をあとにした


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