星空を見上げて
・・・・・
「お帰りなさい」
「ただいま」と言いちゅっとキスされると
腰を抱かれながらリビングに入る
どうも私の家出以来彼の溺愛が過度になった気がする
原因をつくったのは自分なのだから仕方ないのだが
ちょっと言われたぐらいで家出なんて子供と同じだ
もう24なんだししっかりしなくちゃ
そんなことを思っていると圭介さんが
「来週の土曜日から5日ほど休暇がとれた東京に行くぞ」
「東京へ?」
「この間言っただろう、婚約と結婚の報告に行く
さっそく伯父さんに電話しといてくれ」
「分りました」来週の土曜日だとあと8日しかない
明日さっそく伯父さんに電話しよう
・・・・・
その後ベッドに入ると今日花井社長と会ったことを話してくれた
老舗ホテルって大変なんだな、それが何代もというと余計だ
そんな環境にいた梓さんはどんな気持ちでお姉さんとお父さんを見ていたのか
それを思うと彼女がちょっとかわいそうに思えた
だからといって私に言ってきたことは許せないけど
「今後も花井ホテルとの付き合いは続いていくが
彼女はもう俺たちの前には現れない、だから気にするな」
彼は私を抱きしめるとお休みといい目を閉じた
もう彼女に会うことはない
だけど今回のことをきっかけに梓さんが変わってくれることを願い
私も目を閉じた