星空を見上げて
・・・・・
夕食を済ませホテルに戻ってきた時には22時を過ぎていた
「明日は取引先まわりの他に会食もあるから遅くなる
まる1日1人にしてしまうが行動する時は十分気をつけて
何かあったら必ず電話するように」
さっきのナンパ事件のせいかちょっと過保護ぎみな圭介さん
まるで心配性のお父さんみたいだ
でも圭介さんは仕事なのに私ばっかり遊んでて何だか申し訳ないな
そんな私の心の声が聞こえたのか
「気にするな」とアタマをぽんぽんされた
圭介さんのアタマぽんぽん好きだな、ホッとする
「仕事が全て片づいたら2人で出掛けるから行きたい所を考えておけよ?」
「はい」
「じゃあお休み」
「お休みなさい」
部屋に入り、顔だけ洗ってベッドにもぐりこんだけどなかなか眠れない
寝つけずにいるのはあの時の圭介さんのひとことのせいだ
”俺の女に何の用だ”
今思い出してもどきどきする
きっと圭介さんは私を助けるために咄嗟に言っただけできっと本心ではない
だって彼にとって私はただの同居人だから
自分で言っちゃうと悲しいな、やっと自分の気持ちに気がついたのに
「圭介さん好き」
きっとこの思いは彼には届かないだろう
それなら今は同居人としてでも傍にいられればいい
いつか離れる日が来るそのときまでは・・