星空を見上げて

・・・・・

お墓参りの帰りに伯父さんの家に寄った
婚約のこと、そして結婚式への出席をお願いすると快く承諾してくれた

「そういえば日下部君から荷物が届いているよ
葵ちゃんの部屋に置いてあるから」

そう言われダンボールが置かれている部屋に入った
部屋の中には机とベッドと本棚、そしてチェストが今も置かれていた

「ここが葵の部屋?」

「高校卒業まで使っていた部屋です」

そう言い机の前に来て引き出しを開けるとアルバムが数冊出てきた
中を開くと私が生まれた時から高校に入学するまでの写真が貼ってあった
家族で旅行した時のものや季節のお祝いごとなどもあり
両親と一緒に写したたくさんの写真に懐かしさがこみ上げた

「これがご両親だね」

「はいそうです」

「よく似てる、葵は父親似なんだな」

そう言いながら私たちはアルバムを見ていた
最後に撮ったのは高校に入学したときだからもう9年も前のことだ
両親が生きていたらもっとたくさんの写真がここに貼られていたことだろう
写真を眺めていると今までの思い出が甦り胸がいっぱいになった

その後私たちはアルバムとダンボールを持って部屋を出てきた
そして荷物をクルマに積み込むと伯父さんに挨拶をして家をあとにした


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