星空を見上げて
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引き継ぎも引っ越しも済み
身軽になった私たちは明後日東京に発つことになった
私はからっぽになった部屋を見回した
ここで圭介さんと暮らし始めて1年とちょっと
あっという間だった
彼は取引先の挨拶まわりがまだ数社あり
それを済ませてから発つことになっていたので
2日だけホテル住まいになった
「葵、そろそろ行くぞ」
「あ、はい」
「どうした?」
「最後なのでちょっとだけ見ておこうと思って」
そう言うとリビングの中央に立ちもう一度見回した
「さあ行こう」
そう言うと私たちは家を出てドアに鍵をかけた
・・・・・
空港近くのホテルに着くとチェックインをすませ部屋に入った
私と彼の始まりは北海道、そして一緒にこの地で暮らした
そのせいか何だか故郷を離れるようでとても寂しい
次に来るのは冴子さんの結婚式の時だろう
それまでさよならだ
そんなことを考えていると後ろから抱きしめられた
私が彼にもたれかかるとちゅっとアタマにキスされた
その後言葉は交わさず2人窓の外に広がる街の灯りをただ眺めていた