星空を見上げて
草摩side
あの日のことはよく覚えてる、夜遅く涼太から電話がかかってきた
『葵が居ない』
「居ないってどうゆうことだよ」
『予約していたホテルに行ったらチェックインは済んでいたし
荷物も部屋にあった、でも葵がいない』
時計を見ると女性が1人で出歩くには遅い時間、ましてや見知らぬ土地だ
「探しにいってみたのか」
『ホテル周辺や2人で行く予定だった場所にも行ってみたがどこにもいない』
「涼太・・」
『とりあえず葵が行きそうな所を片っぱしから探してみる』
「見つかったら連絡しろよ」
『ああ分った』
その後涼太からの連絡を待っていたが電話がかかってくることはなく
数日後、葵ちゃんの荷物をもって涼太だけが東京に帰ってきた
「涼太」
「こんなことならあの時一緒に行ってればよかった
そうすれば葵が居なくなることはなかったのに」
「仕方ないだろう仕事だったんだから、自分を責めるな」
それからの涼太は仕事の合間に北海道に行っていたが
相変わらず葵ちゃんは見つからなかった
だが仕事もそんなに休むことはできず次第に探しにいく回数が減る
段々涼太も諦めかけていた
俺は食事や飲みに誘ったりして涼太を支えていた
そうして少しづつだが以前の涼太が戻ってきたことに
俺はとりあえず安心していた