星空を見上げて

病院を出るとタクシーに乗りまっすぐ家に帰って来た
家に着くとさっそく圭介さんに電話したが出ないので
伝言だけ入れておいた
絵里さんはというと既にお義父様とお義母様に電話していた

その後しばらくして圭介さんから電話がかかってきた
伝えたいことがあるので早めに帰ってきてほしいと告げると
忙しいにも関わらずホントに早く帰ってきてくれた
絵里さんとくすくす笑っていると
圭介さんは訳がわからず眉間にシワをよせていた

「今日病院に行ってきたんです」

「どこか悪いのか!?」

「子供ができました」

「え・・」ポケっと私の顔とお腹を交互に見る彼に苦笑い
すると次の瞬間ぎゅうっと抱きしめられた

「け、圭介さん」と、あわあわしていると

「ありがとう葵」そう言われ涙が出そうになった

「そんなに強く抱きしめると赤ちゃんが苦しいわよ」
と絵里さんが言うと圭介さんがぱっと私を離した

「すまない大丈夫か?」

「大丈夫ですから気にしないでください」

「圭介もとうとうパパになるのねーちょっと想像できないけど
2人増えたら一気に賑やかになるわね」

「2人?」

「双子だそうです」

「!」圭介さんはびっくりしていた

「圭介パパ頑張って」と絵里さんにからかわれていたが
放心していてしばらく上の空みたいだった


< 167 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop