星空を見上げて
・・・・・
草摩さんとは連絡先を交換してその日は別れた
日下部さんへの連絡は草摩さんに任せることにした
きっと今頃電話しているだろう
私が見つかったと知ったら日下部さんはどうするだろう?
記憶のない私に会いたいと思うのだろうか
早くホテルに帰りたい、圭介さんに会いたい
そう思うのに足が上手く動かない
と、カバンの中でケータイが鳴っているのに気がついた
画面を見ると圭介さんからだ 今、声を聞いたらきっと泣いてしまう
電話に出られず画面を見つめていると鳴りやむがすぐにまた鳴りだす
しかたなく電話に出た
「はい」
『瞳か、なかなか電話に出ないからどうしたかと思って
まだ外にいるのか?』
「・・・」
『瞳?』
「圭介さん」声が震える
『どうした?泣いてるのか?』
「圭介さん」
『今どこにいる?』
「圭介さんっ」
『瞳!』
「圭介さん仕事っ」
『構わない、今は瞳のほうが大事だ』
私が場所を言うと「今から行くから絶対そこを動くなよ」
そう言われ電話を切られたとたん、涙が溢れた