星空を見上げて
私は花井ホテルの社長令嬢ということを隠して働いていた
もうそういう目で見られるのはイヤだったから
日々黙々と仕事をこなし定時に会社を上がる
友達も少しづつだが増え仕事ぶりも認められてきて
会社に行くのが楽しくなりつつあった
そんな生活を続けて数カ月、圭介さんが結婚したと風の噂に聞いた
最初から彼の視界にも入っていないことは分っていた
それでもちょっとでも振り向いてほしくて悪あがきをした
自分のしたことを後悔しても時間は戻らない
彼のことはすぐには忘れられないがひっそり想うぐらいは良いよね?
アタマの冷えた今の私なら言えるかもしれない
結婚おめでとうございますお幸せに と。