星空を見上げて
仕事中にも関わらず圭介さんは来てくれた
彼にクルマに乗せられホテルへ向かう
クルマが走り出すと私の手を握ってきた、彼の手の暖かさにホッとする
私がきゅっと握ると強く握りかえしてきた
ホテルに着き、部屋に入ると
何があったか聞かれたが私が答えずにいると「瞳」と呼ばれる
私はゆっくり顔をあげるとぽつりぽつりと話し始めた
「今日圭介さんの会社に行ったんです」
「ウチの会社に?」
「北海道では何度か行ったことがあったので
東京に行くなら行ってみたいと思ってて」
「それで?」
「そこで草摩さんという人に会ったんです」
「草摩?」
「日下部さんの友人だと言ってました」
「日下部というのは?」
「草摩さんが言うには私の彼だそうです」
「!」