星空を見上げて

全て話し終わると圭介さんは眉間にシワをよせ考えこんでいた

彼の顔を覗きこむと
その日下部という男は今どこにいるのかと聞かれた

「出張でアメリカに行っているそうです」

「いつ帰ってくるか聞いているか?」

「いえ、そこまでは」

「もしその男が知ったら間違いなく連絡がくるな」

どきっ

「瞳の番号は教えてあるんだな?」

「はい草摩さんに」

「分った、電話がかかってきたら教えてくれ」

「圭介さん」

不安な顔を彼に向けると
「傍にいると言っただろう?大丈夫だ」と私の頬を撫でた
彼に大丈夫だと言われると安心する

「今日は疲れただろう、少し早いがもう休んだほうがいい」

彼は立ちあがり部屋を出ていこうとしたが
今は1人になりたくなくて慌ててスーツの裾をきゅっと掴んだ

「瞳?」

「もう少し一緒に居てくれませんか」

「・・・」

「少しで構いません、お願いです」

そう言うと何も言わずに私の隣に座りそっと肩を抱いてくれた
それに甘え彼の肩にアタマを乗せて目をとじる

疲れた、今日1日でこんなに疲れるなんて

明日からどうなるんだろうアタマの中ぐちゃぐちゃだ
怖い、足元が見えなくて踏み外してしまいそうだ

今日あったことが全て夢ならどんなにかいいのに
そう思いながら私は彼の隣で徐々に眠りに落ちていった


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