星空を見上げて
・・・・・
「寝坊した!」
ベッドから飛び起きリビングに行くと彼は既に出かけたあとだった
ソファーに座るとテーブルの上にメモを見つけた
”おはよう、今日は急ぎの仕事があるので早めに出る
帰りは遅くなるから瞳は先に休んでてくれ”
瞳・・圭介さんが付けてくれた名前だ
今私はお世話になる代わりに家事全般をやらせてもらっている
それぐらいしか今の自分には返せないからだ
彼は気にしなくていいと言ってくれたがそういう訳にもいかない
落ち込むことも多いがくよくよしても仕方ないので
今の自分に出来ることをしよう、そう決めた私は開き直ることにした
・・・・・
いつものようにお風呂を沸かし
料理の下ごしらえを済ませ彼の帰りを待った
ふと窓を開けバルコニー出る
暦上ではもう立春だけど北海道の春はまだ遠い
見上げると今夜も星は輝いている
気温が下がると空気が澄んでキレイに見えるんだっけ
「また星を眺めていたのか、ほどほどにしないと風邪ひくぞ」
振り返るといつ帰ってきたのか圭介さんが立っていた
私の頬をなで「ほら冷たくなってる」
ふっと微笑んだ彼にドキッと心がゆれた、自分でも顔が赤くなるのが分る
「お風呂沸いてますから入ってきてください、食事用意しておきますから!」
「?・・分った」
訳が分らないといった顔をしながらバスルームに消えていった
はぁあんな顔をされるとドキドキする
アツくなった顔を押さえながら窓を閉め、食事の準備にとりかかった