星空を見上げて

・・・・・

「そっかそんなことがあったんだ」

「ご迷惑をおかけしました」

「そんな事情があったんじゃ仕方ないよ
連絡がないままお店に来なくなったから凄い心配したけどね
元気でいてくれて安心した」

カウンター席に座り、マスターが淹れてくれたコーヒーを飲む

「それで仕事なんですけど」

「うん、実は葵ちゃんが来なくなって仕事がまわらなくてね
新しく1人雇ったんだ」

今日は休んでるけどねとマスターは言った
今はマスターを含めて4人でこの店をやっているそうだ

「すみません」

「誤らないでたまたま偶然がかさなってしまっただけで
葵ちゃんは何も悪くないんだから」

「私、今日お店に来るの凄く迷ったんです
たとえ事情があったにしても
お店に迷惑をかけてしまったことには変わりないから・・
でもマスターの顔を見れてやっぱり来て良かったって今は思っています」

「僕も葵ちゃんに会えて嬉しかったよ、もう年寄りに心配かけないでよ」

そう言うとマスターはおかわりのコーヒーを淹れてくれた
サービス♪と言われたコーヒーはなぜか懐かしく感じた


2人で話をしていると1人アルバイトが出勤してきた
どうやらもうすぐ混みあう時間帯のようだ
いつまでもお邪魔しているわけにもいかない

「じゃあ私そろそろ帰ります」

「うん今日は来てくれて有難う
今度はお客さんとして来てよね 待ってるから」

「はい有難うございました」

私はマスターに深々とお時儀するとお店を出た


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