星空を見上げて

ホテルのフロントで待つこと10数分、圭介さんが現れた
急いで来たのか、髪がちょっと乱れている

「待たせたな」

「大丈夫ですよ」

「じゃあ行こうか」

「圭介さん帰ってきたばかりで大丈夫なんですか?」

「大丈夫だ、さぁ行こう」

肩を抱かれて歩きだす えっ何で?私は慌ててしまった


エントランス前からタクシーに乗りこむとクルマは走り出したが
車内でも肩を抱かれたままだ、圭介さんどうしちゃったの?

どこに向かってるんですかと聞くと

「赤坂」

赤坂?

「瞳」

「はい?」

「実は今夜俺の両親と食事の約束をしている」

圭介さんのご両親!?目を見開いて彼を見ると

「俺が女性と一緒に暮らしていると知って会ってみたいと言われた」

「ご両親は私の事情知っているんですか?」

「ああちゃんと話してある
心配するな今日は姉きも来てくれているから大丈夫だ」


圭介さんのご両親と食事・・私ちゃんと挨拶出来るのかな?
それよりも記憶のない私のことをどう思っているのだろう
そんなことを考えながらもタクシーは目的地に向かって走り続けていた


< 53 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop