星空を見上げて
第2章
東京1日目
「着いた」
飛行機で約1時間30分、私たちは羽田空港に降り立った
時間は19時を少しまわったところだ
きょろきょろしていると
「こっちだ」と言って歩きだす彼に慌ててついていく
空港からタクシーに乗りこみ今回予約したホテルに向かったが
時間も遅かったので今日はこのままホテルで休もうということになった
泊まった部屋はシングルルーム
同じ部屋という訳にもいかないので圭介さんが2部屋取ってくれた
もしかしたらと考えていた自分が恥ずかしい
窓の外を見ると東京の夜景が広がっていた
”何か思い出すキッカケ”
思い出せるのかな?今まで何ひとつ思い出せていないのに
もし思い出したとしても変わらず彼と一緒に居られるのだろうか
優しい人だからきっと私の事を思い、離れていってしまうのでは
そう思うと不安でたまらない、ああそうか
私、圭介さんが好きなんだ
ここにきて自分の気持ちに気づくなんて・・
どうして一緒に来てしまったんだろう
北海道で彼の帰りを待っていれば良かったのに
「どうすればいい?」
自分の心に問いかけるけど答えは見つからない
泣きそうになっていると部屋の電話が鳴った
「はい」
「食事に行こう、迎えに行くから支度しておいてくれ」
「分りました」
私は気持ちを切り替え、支度を始めた