星空を見上げて
お互い身支度を済ませるとホテルで簡単に食事をした
その後ホテルの前で待つように言われ待っているとクラクションが短く鳴った
見ると圭介さんの運転するクルマが私の前で止まった
助手席のドアを開けられたので乗りこむとすぐにクルマは走り出した
「圭介さんこのクルマどうしたんですか?」
「レンタカーを借りた」
「レンタカー」
「今日はこれで鎌倉まで行く、あのメモは持ってきたか?」と聞かれたので
カバンからメモを出して見せた
「よし、それじゃあ行くか」と言ってクルマを走らせた
・・・・・
ホテルを出発したあと最寄りの入り口から高速に乗った
鎌倉へ行くには途中で別の高速へチェンジするらしい
平日のわりと早い時間だったので渋滞にあうこともなくスムーズにクルマは走る
今日の東京はよく晴れていて気持ちがいい
高速を乗り変えた所で一旦サービスエリアに入る
クルマを下りると軽く背伸びをした
「ちょっと待ってろ」
そう言うと圭介さんはどこかに行ってしまった
私がクルマの前で待っていると缶コーヒーを2つ持って彼が帰ってきた
「ん」
「有難うございます」クルマの中で缶コーヒーを飲む
「もう少しで着くから」
「はい」と言うと圭介さんは私を見て言った
「そろそろ敬語はやめないか?」
「急に言われても・・」
「すぐにとは言わないが今後は徐々に敬語はなしにしてほしい」
「分りました」
「葵」
「分った」
そう言うと彼は嬉しそうに笑った
「さて行くか」私たちはサービスエリアを出て再び鎌倉を目指した