星空を見上げて

到着した新幹線に私たちは乗り込んだ
席は1列3席という見るからに豪華な造りのシートだった

私が窓側で圭介さんは通路側
席を見ると肘掛のところには色々な機能がついている
私が普段利用するのはこんなのついてなかったな

ぽけっと見ている間に圭介さんは荷物を上の棚にしまい席に腰かけたので
私も席に座るといつの間にか新幹線はゆっくり走り出していた


窓の外を見ると東京の街並みが流れていく
北海道に帰れば東京にくることもあまりないだろう
これでしばらく見納めかと思うとちょっと寂しくなった

「寂しいのか?」

「少し」

そういうとアタマをぽんぽんされる

「全く来れなくなるわけじゃない
こっちには伯父さんもいるし姉きだっている、今後も来る機会はある」

「そうですね」

そう言い、再び窓の外を眺めていた


朝早くホテルを出たので朝食をとっていなかった私たちは
車内で食事を済ませた

その後は本を読んだり外を眺めたりしていた
圭介さんはパソコンを使い何やら仕事をしているようだった
時折電話もかけている

東京での仕事が終わってもそれだけじゃない
北海道に帰れば向こうでの仕事が彼を待っている
東京での疲れが温泉でとれればいいんだけど

「俺は大丈夫だ、思ったほど疲れていない
仕事の合間に休みもとれていたからな」

「何で私の考えていることが分るんですか?」

「何でだろうな」そう言い目を細めるとちゅっとキスされた

「圭介さん!」と赤い顔で言うと

圭介さんはくすっと笑い、再びパソコンを操作しはじめた


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