星空を見上げて

どれくらいの時間が経ったのか
ふうっとひと息ついて本から目を離し時計を見ると

「えっ!もうこんな時間?」

いつもなら買いモノから帰り、夕食を作りはじめるころだ
慌てて冷蔵庫の中を見ると水以外は何も入っていない
当然だ昨日帰って来たばかりで買いモノに行ってないのだから

私はコートを羽織り財布とケータイをカバンに押し込む
そして鍵をかけるとマンションを出て急いでスーパーに向かった

・・・・・

スーパーで何を作ろうか考えながら食材をカゴに入れていると
ケータイが鳴った、この着信音は圭介さんだ

「もしもし」

『葵、今日はもう終わったから今から帰る』

「はい分りました」大変!急いで帰らないと

立ち止まって話していたら人にぶつかってしまった

「あっすいません」と謝ったら彼にも聞こえたようだ

『葵、今どこにいるんだ?』

「スーパーです」

『この時間にスーパーにいるのか?』

「実は本に夢中になってて時間に気がつかなくて・・
冷蔵庫には何も入っていなかったので急いで買いにきてるんです」

そう言うとしばらく声が途切れたので圭介さん?と声をかけると

『今からそっちに迎えにいくからそこを出るなよ』
それだけ言うと電話を切られた

「え、あの!・・・切られちゃった」

どうしたんだろう、何か怒っているような感じが

「ひょっとして私やっちゃった?」

そう思いながらもカートを引き、買いモノを続けた


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