星空を見上げて

「新城くん」
葵を見送ったあとエレベーターに乗ったら桐沢が乗りこんできた

「見たわよ、あの子が例の彼女ね」

「例の?」

「女子社員が噂してるわよ
めったに笑わない新城くんが彼女の前では笑顔を見せるって
どんな子かと思ったらかなりの美人じゃない
まわりにいた男性たちが見惚れてたわよ、気をつけたほうがいいわ」

「何のことだ?」

「ふふ分ってるくせに忠告はしたからね」

・・・・・

「おかえりなさい」いつものように玄関まで出迎えると
ただいまと言って先にリビングに行ってしまった
上着も脱がずにソファーに座った彼の隣に座ると抱き寄せられた

「ひょっとして私また何かやらかしちゃいました?」

「いや」

「何かあるなら言ってください」

「今日書類を届けに会社に来ただろう?
その場を見ていた同僚に葵のことで忠告をうけた」

「忠告?」

「オトコたちが見惚れているから気をつけろって」

「え?」

「それを言われて焦った、葵を見るオトコたちに嫉妬した」

私は彼の背中に手をまわすと小さくさすった

「私が好きなのは圭介さんですよ」

「分ってる」

「そういう圭介さんだってモテるの知ってました?」

「そうか?」

「そうですよ圭介さんと2人で歩いていると女性は皆見てるんですから
さぁもうこの話はここまで、お風呂に入ってきてください
その間に料理を用意しておきますから」

ちゅっとキスをするとご機嫌がなおり笑顔でバスルームに向かっていった


< 99 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop