年下彼氏と甘い恋
年下彼氏は会社の王子







その後、私は無我夢中で逃げ帰った。

陽太の言葉が信じられなかったからかもしれないし、陽太が怖くなったからかもしれない。

いずれにせよ、陽太はただの幼馴染だ。

この関係が崩れるのが、なんだか怖かった。

それに……陽太は私のことを知りすぎている。

私が中学時代に道を踏み外したのも、高校時代に空手で全国大会に出たのも知っている。

陽太の前で、「可愛い女性」や「か弱い女性」になって甘えることは不可能だ。

そんな私とは逆に、陽太は道の真ん中を歩くような優等生だった。

それに、空手女子と違い、空手男子はウケもいいしモテる……

考えれば考えるほど、陽太と付き合うなんてありえないと思うのだった。



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