年下彼氏と甘い恋




その言葉に逃げ出したくなる。

しかも、「新しい」という単語が、私の心を抉る。



分かっていることだが、陽太には「元カノ」がたくさんいる。

陽太が私にしたのと同じように彼女たちを愛したのかと思うと、胸がきゅーっと締め付けられるのだった。




「うん。五階で働いてる、里佳子」




紹介され、仕方なく頭を下げる。

下げながらも、やっぱり敗北感でいっぱいだった。



陽太には、こんな女性がお似合いだろう。

この女性と陽太では、絵になるように美しい。

出来ることなら穴を掘って隠れてしまいたい。




惨めな私を見て、女性はにこりと笑った。

まるで女神のようなその笑みの後、



「陽太君の同僚の山下と申します」



丁寧に頭を下げる。

そんな山下さんに釣られ、再び頭を下げてしまった。


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