年下彼氏と甘い恋





エレベーターの扉が開くと、山下さんは笑顔で会釈して、ヒールをカツカツ言わせて出て行ってしまった。

そんな山下さんの後ろ姿を見ながら、私にもあの外見があったらどんなに良かっただろうなんて思った。

陽太は誰もが認めるイケメンなのに、私は平凡な女性。

お洒落のために化粧したりヒールを履いても、洗練された女性にはなれないのだ。






山下さんに見惚れていた私は、



「里佳子、なに食べに行く?」



陽太の声で我に返った。




「ななな何でもいいよ!」




上ずりながらも、優柔不断な言葉を返す。


< 121 / 271 >

この作品をシェア

pagetop