年下彼氏と甘い恋






そんな幸せ気分の中……





「どどどうしよう!!」




オフィスに男性の慌てた声が響いた。

驚いて後ろを向くと、そこには青ざめた顔の後輩の野村君がいる。

彼は届いたばかりの商品を持ち、震えていた。




「どうしたの?」




思わず聞くと、野村君は泣きそうな顔で私を見る。

そして、信じられない言葉を吐いた。




「このチーズ、違うものが届いています」


「え?」



「新しく開発されたカマンベールチーズのはずなのに、美味しくないため廃盤になる予定の、しかも消費期限がギリギリのものです」





オフィスが静まり返った。

そして、「あー……やってしまったな」と言いたげの残念な空気で満たされる。


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