年下彼氏と甘い恋
急に名前を呼ばれ、椅子ごと転びそうになった。
少なくとも、ギャグ漫画のごとく飛び上がっただろう。
スーツ姿の陽太は私の前の椅子を引き、当然のように座る。
そして、メニューを見始めた。
そんな陽太にかける言葉はただ一つ、
「なっ……なんでここにいるの?」
その声は震えていた。
陽太はゆっくりメニューから目を離し、私を見る。
その大きな瞳と視線がぶつかり、不覚にもどきりとする。
陽太は口角を上げ、嬉しそうに私に言った。
「こっちに異動になったんだ」
「え?」
「里佳子の職場の上」
思わぬ事実に何も言えなくなる。
陽太は今、一番避けたい人なのに……
同じオフィスビルに異動になっただなんて!!