年下彼氏と甘い恋
足早に歩きながらも必死で涙を我慢した。
陽太の元カノの山下さんは、美人なだけでなく、性格だっていいんだ。
せめて性格が悪くて私を罵ってくれたら、もっと気が楽だっただろう。
私は、いかなる点でも山下さんに劣っている。
こんな私を陽太は好きだなんて行ってくれるけど……
「里佳子!」
急に大好きな声で名前を呼ばれ、飛び上がりそうになった。
普通なら、身も心も陽太のものになったなんて甘い余韻に浸れるのに、今は山下さんが私を邪魔する。