年下彼氏と甘い恋







中島さんに、山下さんの話していたことを告げると、



「嫌な女」



顔を歪めて私の味方をしてくれる。

だけど、山下さんは私を貶める気もなさそうで……

試食会の時も「いい人」だなんて言ってくれて……

根っからの悪者ではなさそうだ。

ただ天然で、余計なことまで言ってしまうのかもしれない。

だから余計に、心から嫌いになれないのだった。





「うーん……彼氏は去年、確かにその娘に対して本気だったのかもしれない。

でも、今は里佳子ちゃんが一番だよ。

だって、きっと同僚からもお誘いはあったはずなのに、今日は里佳子ちゃんのところに来てくれた。」





中島さんの言葉に涙が出そうになる。

私が陽太の一番であって欲しい。

だけどそうであったとしても……

私は山下さんを一生妬んで生きるのだろう。

本当に、惨めな女だ。


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