年下彼氏と甘い恋
陽太は私を見てにこっと笑い、その笑顔を見ないかのようにそっぽを向いた。
それでも私の顔は真っ赤だっただろう。
そんなあたしに、陽太は言う。
「里佳子、そろそろ帰ろうか」
時計を見ると、時刻は十時を少し過ぎたところだ。
まだまだ夜はこれから、盛り上がるのもこれからだ。
そして……何より陽太と二人きりになるのが怖かった。
陽太とは終わりにしようと思うのに、私はどんどん流されている。
「私はもうちょっといたいな。
陽太は先に帰ったら?」
その言葉に、野村君は大きく頷く。
だけど、
「里佳子、そいつと喧嘩してんだろ」
換気扇の下で煙草を吸いながら森本先輩が言った。
そしてその言葉にどきりとする。
「はやく帰って仲直りしな」