年下彼氏と甘い恋
最低で最高の聖なる日
陽太の後ろをとぼとぼと歩いた。
イルミネーションで輝く街は、まだカップルで溢れかえっていた。
肩を寄せ合って幸せそうに微笑む彼らの間を縫って。
陽太は時々止まって私を振り返るが、その度に私も止まり、陽太との距離を確保した。
そしてとうとう……
「里佳子、どうしたの?」
痺れを切らしたように陽太が声を上げる。
そして、私との距離を一気に詰めた。
逃げようとしたが、陽太には勝てなかった。
素早く腕を掴まれ、身動きが取れなくなる。
泣きそうな顔のあたしに、陽太は告げた。
「あそこで少し休んで行こう」
彼はイルミネーションで輝く川沿いのベンチを指差した。