年下彼氏と甘い恋
相変わらず言葉が理解出来ないかのように固まるだけの私を見て、陽太は面白そうに笑った。
「前にも言ったよね?
女の子と付き合ったのは、全部里佳子を嫉妬させるつもりだったんだよ?
だけど里佳子は、全然気にしなかった」
それが今になって嫉妬の嵐に狂うなんて。
「それにさ……
26歳で童貞って周りから言われるのも恥ずかしいでしょ?」
「……え?」
「ま、俺が童貞だったなんて、誰も思っていないだろうけど」
信じられない事実を聞いて、私は口をパクパクさせて陽太を見ていた。
全部私の僻みと被害妄想だったんだ。
私の恋を邪魔して、自分はいい思いして……なんて思っていたのに……陽太は本当に26年間も私を待っていてくれたんだ。
その事実に胸が痛み、目頭が熱くなる。
必死に目を押さえたが、涙は次々と溢れてきて私を濡らす。
昨日も泣いていた。
だけど、今日の涙は昨日のものとは違う。
正真正銘の嬉し涙だ。
私はこうも陽太に愛されて、幸せだ。