年下彼氏と甘い恋





厚手のジャンパーにジーンズ。

そして、釣具屋で購入した、腹部までの長靴をビニール袋に詰める。

準備万端の私に、



「里佳子、どこ行くの?」



陽太は聞いた。




「ちょっと用事が……」





陽太には知られたくなかった。

きっと、一緒になって探してくれるから。

だけど、指輪を失くしたのは私だ。

陽太にはこれ以上、迷惑をかけられないと思った。





「俺も行っていい?」



「駄目だよ」



「じゃ、散歩しよう?」




用事がある、陽太は駄目だと言ったのに、陽太は無視して私の手を引いた。

私は不覚にも、長靴を持ったまま私の家から引きずり出されたのだった。



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