年下彼氏と甘い恋
ひとしきり泣いて、そして笑って落ち着いた私たちは、手を握り合ってベンチに座っていた。
冬の海はきらきらと輝き、近くの商店街からは既にお正月の音楽が流れてきた。
私たちはまた一つ、新たな年を迎える。
そしてまた一つ、大人になる。
新たな年が、よりよい年になりますように。
「陽太、指輪……探してくれたの?」
私の問いに、うんと頷く陽太。
私はまた、陽太になんてことをさせたのだろう。
胸が痛んだ。
「でもね、里佳子、すぐに見つかったんだよ」
陽太は笑顔で告げる。
「川の横の草むらの中に落ちてた。
きらきら光っていて、一瞬で分かったよ。
きっと、見つけられるのを待っていたんだね」
陽太らしいその言葉を聞いて、私も笑顔になっていた。