年下彼氏と甘い恋
むねをぎゅっと掴んだ時、
「里佳子!」
よく聞く声が聞こえ、私は椅子に座ったまま飛び上がった。
なんでこんな所に来るの?
心臓がバクバク言う。
「なっ……なに?」
平静を装って顔を上げた先には、やっぱりスーツ姿の陽太がいて。
いつものにこにこ笑顔で私に言う。
「もう仕事終わりだよね?帰ろ?」
「帰ろって……」
辺りを見回すと、女性たちはやっぱり頰を染めて陽太を見ていた。
中にはあからさまにハートの目をしている人もいる。
こんな光景慣れっこなのに……
やっぱりおかしな胸はちくりと痛むのだった。