年下彼氏と甘い恋
「私、残業しようかと……」
そう言いながらも同僚たちの視線を痛いほど感じ、逃げ出したくなった。
陽太は確信犯だろうか。
こうなるのを分かっていて、私を呼びに来たのだろうか。
「うん……帰る」
立ち上がった私を見て、嬉しそうに頰を緩める陽太。
昔から変わらない陽太の笑顔だが、今日はくすぐったく感じてしまう。
やっぱり今日の私はおかしい。
きっと、陽太と付き合うことになって、混乱しているんだ。
今日は早く帰ろう。
そう思った私を、陽太が簡単に解放してくれるはずなんてなかったのだ。