年下彼氏と甘い恋




呆然としている私の手を、陽太が握る。

温かくて大きいその手を、力いっぱい振り払っていた。

そして、ありったけの嫌悪を込めて陽太を睨む。




「陽太のせいだから」




声に出すと、怒りはさらに大きくなる。




「陽太のせいで、また彼氏が出来なかった」






思い返せばいつも、私の恋は陽太に邪魔されてきた。

中学生の時に片思いだった先輩。

高校生の時に告白された同級生。

大学生の時に付き合おうとした先輩。

会社の上司、紹介を受けた男性、合コンの相手……

いい雰囲気になろうとした瞬間、どこからともなく陽太が現れて……そして、私の恋は打ち砕かれるのだ。


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