aventure

波瑠がシャワーを浴びてる間
時間を持て余した桜智はテレビでも見ようとテレビをつけた。

大画面のテレビに映ったのはアダルトチャンネルで
絡み合う男女の映像と大きな喘ぎ声が部屋中に響いた。

桜智は焦って急いでテレビを消した。

幸いシャワーの音で淫らな声は掻き消され
波瑠には届いていないようだ。

波瑠がシャワーから出てきて
桜智は再び緊張で硬直している。

「桜智もシャワー浴びて来れば？」

「え？」

「今から帰るの面倒でしょ？

何もしないからそんなに怖がらなくていいよ。」

その言葉を信じて桜智は少し気持ちを落ち着かせる。

バスルームの前で波瑠の視線を気にしながら桜智は服を脱いだ。

ガラス越しの脱衣所は
波瑠の寝てるベッドから見えてしまうので
桜智はライトを消したままだ。

波瑠はそんな桜智に緊張を感じて
桜智の方を見ない様にしてあげた。

何もしないと言われたが
当然桜智はその言葉を完全に信じてるわけじゃない。

身体を隅々までゆっくり洗い、
湯船にお湯を溜めて長い時間をかけてお風呂に入った。

その間に波瑠が眠ってくれればと祈った。

波瑠は案の定、冷蔵庫のビールを飲んで
待ちきれずに眠ってしまったみたいだ。

桜智はベッドで眠っている波瑠を見てホッとする。

寝顔が鴻に似ていて少し不思議な感じがした。

ソファーで寝ようとしたが
小さなソファーで寝づらいうえに
波瑠の眠るベッドの掛け布団以外に
掛ける布団も毛布も置いてない。

桜智は仕方なく波瑠に気づかれない様に
背を向けて端の方で丸くなって眠ろうとした。

その時、後ろから突然波瑠に抱きしめられた。