aventure
次の日桜智は建築学科の校舎を訪ねた。
四年生はほとんど授業が無くて
波瑠が大学にいるとも思えなかったが
波瑠が学んでる建築学科を見てみたくて来てしまった。
電話をかけてみたが波瑠は電話に出なかった。
図面ケースを抱えた建築学科らしき大学生に桜智は聞いてみることにした。
「あの?建築学科の方ですか?」
「はい。」
「もしかして四年生ですか?」
「ええ、そうですけど。」
「あの…川上颯斗さんはどちらに居るかわかりますか?」
「今日は見てないな。
あ、川上の事ならあそこにいる彼に聞いた方が早いと思う。」
彼が指をさす方を桜智は見た。
桜智に背中を向けて年配の男性と話しをしている学生を見つけた。
「今、教授と話しをしてるヤツが川上と仲いいから彼に聞いてみて。」
桜智はお礼を言ってその学生が教授と話し終わるのを待っていた。
そして男は教授に会釈をして振り返った。
桜智はその顔を見て固まった。
そして波瑠も桜智に気がついてびっくりした顔をして立ち止まった。
その時、後ろから教授が波瑠を呼び止めた。
「あ、井川…さっきの件だけど…」
桜智は確かにその名前を聞いた。
川上のはずの先輩を教授は井川と呼んだ。
桜智はすぐに状況を飲み込めなかった。
そして冷静になって桜智の頭の中のバラバラな波瑠の記憶を1つずつ組み立てていく。
先輩は川上颯斗ではなく井川という男で
鴻にソックリだった。
ハルと呼ばれていたのはそれが彼の名前だからだ。
「…井川?」
波瑠が井川鴻の息子だと桜智は気づいてしまった。
波瑠が教授と話して振り返ると
すでに桜智の姿はなかった。
四年生はほとんど授業が無くて
波瑠が大学にいるとも思えなかったが
波瑠が学んでる建築学科を見てみたくて来てしまった。
電話をかけてみたが波瑠は電話に出なかった。
図面ケースを抱えた建築学科らしき大学生に桜智は聞いてみることにした。
「あの?建築学科の方ですか?」
「はい。」
「もしかして四年生ですか?」
「ええ、そうですけど。」
「あの…川上颯斗さんはどちらに居るかわかりますか?」
「今日は見てないな。
あ、川上の事ならあそこにいる彼に聞いた方が早いと思う。」
彼が指をさす方を桜智は見た。
桜智に背中を向けて年配の男性と話しをしている学生を見つけた。
「今、教授と話しをしてるヤツが川上と仲いいから彼に聞いてみて。」
桜智はお礼を言ってその学生が教授と話し終わるのを待っていた。
そして男は教授に会釈をして振り返った。
桜智はその顔を見て固まった。
そして波瑠も桜智に気がついてびっくりした顔をして立ち止まった。
その時、後ろから教授が波瑠を呼び止めた。
「あ、井川…さっきの件だけど…」
桜智は確かにその名前を聞いた。
川上のはずの先輩を教授は井川と呼んだ。
桜智はすぐに状況を飲み込めなかった。
そして冷静になって桜智の頭の中のバラバラな波瑠の記憶を1つずつ組み立てていく。
先輩は川上颯斗ではなく井川という男で
鴻にソックリだった。
ハルと呼ばれていたのはそれが彼の名前だからだ。
「…井川?」
波瑠が井川鴻の息子だと桜智は気づいてしまった。
波瑠が教授と話して振り返ると
すでに桜智の姿はなかった。