aventure
波瑠は鴻の帰りが遅いと不安になった。

鴻が桜智を抱いてるんじゃないかと思って気が気ではない。

かと言ってもう桜智に逢いたいと言うことも出来なかった。

結美と何度かホテルに行ったが
桜智のことが忘れられず
悶々とした日々を過ごしている。

「最近の波瑠、ちょっとおかしいよ。」

波瑠に乱暴に扱われて
結美も我慢の限界だった。

「私は波瑠の何?」

「え?何って何?」

「これじゃまるで波瑠のセフレじゃない!」

波瑠は面倒くさいと思いながら
怒る結美を宥めて抱きしめた。

「そんなことあるわけないだろ?
ちゃんと結美のこと好きだよ。」

波瑠は結美をキープしておかないと
桜智にまた手を出しそうで怖かった。

「結美、拗ねるなよ。
ホテル出たら飯でも食いに行こうか?」

波瑠のことが大好きな結美はそれだけで機嫌が良くなる。

「本当?」

「うん。だからもう一回。な?」

波瑠は結美に覆い被さり結美の大きな胸を強く揉んだ。

「波瑠…好き。」

結美は大好きな波瑠に抱かれて満たされる。

しかし波瑠の頭には桜智の事しか無く
結美はその代役だった。

波瑠は心の中で桜智の名前を呼ぶ。

目を閉じて桜智の身体を結美を通して感じる。

柔らかい結美の肌が波瑠を包んで
波瑠は上り詰めた。

「桜智…」

波瑠が声に出さずに結美をそう呼んで果てる。

結美は何も気づかないまま
波瑠を感じていた。





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