aventure

「あのマンション、親父が借りてるんだろ？

桜智はまだ親父から金貰って生活してるんだろ？

それを俺が許すと思う？」

桜智は波瑠を見て怯えていた。

「お金は返します。

ちゃんと働いて…」

「働くって何するつもり？

また違うおじさんに自分を売るの？」

桜智は泣きそうな顔をして波瑠に傷つけられるのをジッと耐えていた。

自分と鴻の関係はお金だけじゃないと桜智は信じてる。

でも鴻から援助を受けてるのは事実だった。

「これって犯罪だよ？わかってる？

桜智は身体を売ったんだ。」

「違うよ。

不純な気持ちはあったけど…
でも一目見た時から鴻さんが好きだった。

鴻さんだって私のこと…」

そこまで言いかけて、桜智は何も言えなくなった。

波瑠は鴻の息子なのだと言うことを忘れかけてた。

「親父が本気で桜智を好きだと思う？」

波瑠は鼻で笑って桜智に近寄って言った。

「好きなのはこの身体だけだよ。

若くて綺麗だからね。

欲しいのは桜智じゃなくて桜智の身体だ。」

桜智の瞳から涙が落ちた。

波瑠は自分よりも年下の桜智を泣かせて胸が痛んだ。

「先輩はどうしてまだ私に逢いたいの？

お父さんを苦しめたから？

私だってすごく傷ついた。

先輩のこと好きになりかけてた。

このまま会ってたら鴻さんとの関係が壊れると思ったくらい。

だから先輩にホテルであんな風に強引に迫られても許したの。

なのに先輩が私に近づいたのは鴻さんを私から引き離す為だったって知って…

すごく辛かった。

先輩の復讐は成功したのに
鴻さんのマンションにまだ居るから気に入らないの？
すこし待ってくれたら出て行くから。」

波瑠はそんな桜智を見てますます欲しくなる。

「親父に世話になってるなら俺と付き合ってよ。

親父の金で俺にその身体を売ればいい。」

波瑠はもう自分を止められなかった。