aventure
その次の日の昼、鴻は桜智をあるマンションに呼び出した。

「ここはどう?

通学にも便利だし、環境もいい。」

そこは桜智と逢うために鴻が用意した部屋だった。

「こんなステキなところ使っていいの?」

「もう契約は済んでる。

僕は仕事で手伝えないけど
荷物を運んで必要な物を買って。」

そういってクレジットカードを桜智に渡した。

「え?いいの?」

「いいけど…無駄遣いはしない事。

家具はこっちで用意した。

夕方に届く予定だからそれまでに帰ってきて運んでもらって。

カーテンが必要だな。

桜智の好きなカーテンを買っておいで。

夜にまた来る。」

鴻は言いたいことだけ言うとすぐに帰って行った。

桜智は早速真緒の部屋に荷物を取りに出掛けた。

「住むとこもう決まったの?

もしかして昨日のお客さんとなんかあった?」

桜智は鴻の話をした。

「それって愛人になるってこと?」

「そう思われても仕方ないけど…

ちゃんと好きだもん。

困った私に鴻さんは部屋を提供してくれるけど…
別にお金だけで繋がってるワケじゃない。」

「まぁ、綺麗事にしたい気持ちもわかるけど…
相手は妻帯者でしょ?

好きとか言ったって不倫だし…
養ってもらうワケだし
家族にバレたら厄介だよ?

色々面倒じゃないの?」

その時の桜智は舞い上がってて
それがそんなに悪いことだと思っても無かった。










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