(※キミ限定)ドキドキさせるの禁止ですっ!
「おい…!」
ちょうど電車から降りたところか、これから乗るところだったかはわからない。
ただ偶然ホームにいた君が、倒れた私に気づいてくれて、声を掛けてくれたんだ。
「…っ、大丈夫そうじゃないな。
近くに駅員は…いないし、
とにかく医務室連れてくか……」
その時のことは、ほとんど覚えてない。
ただ、ふわふわした意識の中で見た、
私を抱きかかえる君の真っ黒な髪と、シルバーのピアス。
それだけは、はっきりと覚えていた。