Re:ヴェーク 《起》

転校

この高校は全3学年で編成され、1学年につき3クラスある。
校舎は5階立てで、1階は生徒達の下駄箱と保険室。
それから、職員室と校長室がある。
2階から4階は生徒達の教室で、下から学年順に割り振られている。
その他の、専科の教室はうまいぐわいに配置されていて、2階から4階の間に全て収まっている。
5階はというと、プールが占領していて屋上というものが存在しない。
プールサイドしか休むスペースはない。
また、体育館は別館になっていて朝礼の度に移動をしなければならない。
そんな構造の少し古めかしい校舎を見上げる。


まだ1年の自分は、2階に行かなければならないが
龍我は真っ直ぐ職員室まで進んだ。
周りが少しざわめきつつ、チラチラと見てくる。
その様子に気付かぬ振りをしながら職員室の戸を叩き、勢いよくドアを開ける。
職員室中の視線を集めるのも束の間、すぐさま一人の男が立ち上がる。
中島辰夫(Nakajima Tokio)。
身長はだいたい180cmぐらい。
全体的に痩せ細り疲れた感じの印象を覚えさせる風貌だった。
頬が痩けているせいでより増長させている。
年齢的にはまだ50代前半だが、見た目のせいで10歳は歳をとってみえる。
一言でいうと、『もやし』がしっくりくる感じだ。
教科は意外にも体育担当で、自分の担任になる教師でもある。
軽く会話を交したあと、荷物を取りに職員室を駆けた中島は、軽く息を上げながら
「さぁ、行こうか」
と、告げた。
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