Re:ヴェーク 《起》
六時限目
_六時限目
五時限目はたいしたこともなく終わった。
次は問題の体育。担任中島のバスケの授業だった。
正直もやしの運動する様子が思い浮かばない。
男女で担当する教師は違うが、どちらもやる内容は同じらしく、女子もバスケだった。
その為、体育館を半分に分けて使っていた。
ただ、半分といってもわざわざ別館にするだけあって、半分でも普通の学校の体育館がすっぽり入ってしまうんでないかと思うくらいに広かった。
正直龍我は、運動は苦手な方ではない。
どちらかと言えば得意とする方だ。
自慢ではないが、特になにかやってきた訳ではない。
なんとなくやってると、何故か結果がついてくるのだ。
それも、なかなかいい感じに。
だから恥をかくことはまずないだろう。
極力目立たずに過ごしたい。
気がつくと、バスケのチーム決めまで話が進んでいた。
龍我は当然のように、陽達3人と一緒になっていて、残る1人は勇真と同じバスケ部の奴だった。
勇真は勿論のこと、陽や泉河も運動神経抜群でゲームが始まった途端、男子も女子も釘付けだった。
背が低いながらも勇真が確実にボールをゴール前まで運び、背の高い陽がシュートを決める。
泉河ともう1人のバスケ部の奴が敵からボールを奪い取る。
完璧なチームワークだった。
しかしながら、敵のチームも簡単に負けるわけにはいかない。
なにしろ、全員バスケ部だからだ。
しかも、相手にするチームに、どこの馬の骨とも知れない帰宅部の転校生なんかいればそれこそ負けられないだろう。
敵は龍我のことをマークすらしない。
余裕だと思ってるのだろう。
まぁ、それもそのはず。
龍我はゲーム開始以降、棒立ちのまま突っ立てるだけだった。
女子からはブーイングの嵐。
「ちょっと〜 龍我く〜ん
期待してたのにまさかの運動神経悪い系? だっさ〜w」
「少しは動けよ〜 ボンクラ!」
「棒立ちで相手の戦意削ぐ系? つまんな。」
好き勝手言ってくれる。
と、そこで自分のチームのゴール前をフラフラしてた龍我に泉河がパスを回す。
シュッ_
「龍我!陽にパス! ……って、あれ?」
「「オォー!!!」」
陽と勇真が同時に叫ぶ。
それもそのはず。
龍我が反対側の敵のゴールへ超ロングシュートを決めたのだ。
誰も予想のしてなかった展開に誰しもが口を噤んでいたが、
「お前マジか!めっちゃ綺麗なシュートだったじゃん!バスケ部来いよ!」
沈黙を破り、勇真が飛び跳ねながら勧誘する。
すかさず陽が
「お前あとからかっこよく決めるとかあざといぞー!wこのくそイケメン野郎が!」
と、肩をバシバシと思いきり叩きながら言ってくるので、
「バスケ部行かねぇしwあざとくもねぇしw」
龍我は軽く笑いながら身体をよじって逃げた。
たぶん今頃肩が真っ赤だろう。
そう思ったのも、束の間。
「キャーーー♡
龍我君今のなにー!?やばっ!かっこい!!」
「あとから本領発揮とか神〜♡」
「私はこうなると思ってた〜♡付き合って〜♡」
さっきまでの罵声からは想像もつかない言葉が次から次へと降ってくる。
その後も龍我は自分に回ってきたボールはすべて決めた。
結果、敵チームの惨敗という形で終わったが、皆の印象には『バスケ部惨敗』というより『ヤバい転校生』という方が強く残った。
その日から、騒がしいのを好かない龍我にとってはとても喜ばしくない学校生活がはじまった。
五時限目はたいしたこともなく終わった。
次は問題の体育。担任中島のバスケの授業だった。
正直もやしの運動する様子が思い浮かばない。
男女で担当する教師は違うが、どちらもやる内容は同じらしく、女子もバスケだった。
その為、体育館を半分に分けて使っていた。
ただ、半分といってもわざわざ別館にするだけあって、半分でも普通の学校の体育館がすっぽり入ってしまうんでないかと思うくらいに広かった。
正直龍我は、運動は苦手な方ではない。
どちらかと言えば得意とする方だ。
自慢ではないが、特になにかやってきた訳ではない。
なんとなくやってると、何故か結果がついてくるのだ。
それも、なかなかいい感じに。
だから恥をかくことはまずないだろう。
極力目立たずに過ごしたい。
気がつくと、バスケのチーム決めまで話が進んでいた。
龍我は当然のように、陽達3人と一緒になっていて、残る1人は勇真と同じバスケ部の奴だった。
勇真は勿論のこと、陽や泉河も運動神経抜群でゲームが始まった途端、男子も女子も釘付けだった。
背が低いながらも勇真が確実にボールをゴール前まで運び、背の高い陽がシュートを決める。
泉河ともう1人のバスケ部の奴が敵からボールを奪い取る。
完璧なチームワークだった。
しかしながら、敵のチームも簡単に負けるわけにはいかない。
なにしろ、全員バスケ部だからだ。
しかも、相手にするチームに、どこの馬の骨とも知れない帰宅部の転校生なんかいればそれこそ負けられないだろう。
敵は龍我のことをマークすらしない。
余裕だと思ってるのだろう。
まぁ、それもそのはず。
龍我はゲーム開始以降、棒立ちのまま突っ立てるだけだった。
女子からはブーイングの嵐。
「ちょっと〜 龍我く〜ん
期待してたのにまさかの運動神経悪い系? だっさ〜w」
「少しは動けよ〜 ボンクラ!」
「棒立ちで相手の戦意削ぐ系? つまんな。」
好き勝手言ってくれる。
と、そこで自分のチームのゴール前をフラフラしてた龍我に泉河がパスを回す。
シュッ_
「龍我!陽にパス! ……って、あれ?」
「「オォー!!!」」
陽と勇真が同時に叫ぶ。
それもそのはず。
龍我が反対側の敵のゴールへ超ロングシュートを決めたのだ。
誰も予想のしてなかった展開に誰しもが口を噤んでいたが、
「お前マジか!めっちゃ綺麗なシュートだったじゃん!バスケ部来いよ!」
沈黙を破り、勇真が飛び跳ねながら勧誘する。
すかさず陽が
「お前あとからかっこよく決めるとかあざといぞー!wこのくそイケメン野郎が!」
と、肩をバシバシと思いきり叩きながら言ってくるので、
「バスケ部行かねぇしwあざとくもねぇしw」
龍我は軽く笑いながら身体をよじって逃げた。
たぶん今頃肩が真っ赤だろう。
そう思ったのも、束の間。
「キャーーー♡
龍我君今のなにー!?やばっ!かっこい!!」
「あとから本領発揮とか神〜♡」
「私はこうなると思ってた〜♡付き合って〜♡」
さっきまでの罵声からは想像もつかない言葉が次から次へと降ってくる。
その後も龍我は自分に回ってきたボールはすべて決めた。
結果、敵チームの惨敗という形で終わったが、皆の印象には『バスケ部惨敗』というより『ヤバい転校生』という方が強く残った。
その日から、騒がしいのを好かない龍我にとってはとても喜ばしくない学校生活がはじまった。