図書室の花子さん(仮)
決めた2つの名前を記入して、まだ林くんが借りていなかったであろう野球関連の本に挟む。
挟んだ本は、元プロ野球選手が書いた、読みやすそうな自伝だった。
林くんへ、あわよくば斎藤くんへ
届きますように……!
そう念じて、本を元の場所へ戻した。
*
運命の日は、意外にも早くやってきた。
例の手紙を挟んだ1週間後。
林くんが、図書室へ来たのだ。
しかも、斎藤くんと一緒に。
林くんだけが入ってきたのかと思っていたら、その後ろから斎藤くんも現れて、私は驚きのあまりカウンターの椅子から落ちそうになった。
なんで、斎藤くんが……
林くんまだ手紙読んでない、よね?