図書室の花子さん(仮)

決めた2つの名前を記入して、まだ林くんが借りていなかったであろう野球関連の本に挟む。

挟んだ本は、元プロ野球選手が書いた、読みやすそうな自伝だった。

林くんへ、あわよくば斎藤くんへ
届きますように……!

そう念じて、本を元の場所へ戻した。



運命の日は、意外にも早くやってきた。

例の手紙を挟んだ1週間後。
林くんが、図書室へ来たのだ。


しかも、斎藤くんと一緒に。


林くんだけが入ってきたのかと思っていたら、その後ろから斎藤くんも現れて、私は驚きのあまりカウンターの椅子から落ちそうになった。


なんで、斎藤くんが……
林くんまだ手紙読んでない、よね?


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