図書室の花子さん(仮)
……15分後。
練習着に着替えて、グラウンドに立つ斎藤くんを遠目で確認して、私はカウンターから席を立った。
緊張する足取りで、一番奥の本棚 右端へ進む。
「……これか。」
ついさっき彼が返却した本を手に取る。
手紙は、読まれたのだろうか。返事はあるのだろうか。
震える手で、少し分厚い表紙を開く。
そこには、、、
"読書オバケ さんへ"
と丁寧な字で記された、
二つ折りのルーズリーフがあった。
嘘。これは返事?
夢じゃないよね、、、
高まる鼓動と共に、手紙を開く。